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簡潔明瞭! 早くも今年の流行語大賞?

【一番大事なポイントを一言で】

みなさん、「黙食(もくしょく)」をご存知でしょうか?
福岡県に緊急事態宣言が発令された1/13以降、
福岡市のカレー屋さん「マサラキッチン」の店主、三辻忍さんが提唱し、
全国的に広がりを見せている“お願い”です。

1/28付讀賣新聞オンラインによれば、
きっかけは、同業者や知人からの「食事する時、大声で話す客が気になる」
「角を立てずに客に注意するのが難しい」といった声でした。

これまでも、店内に飛沫防止の間仕切りを設置し、
「ノーマスクでの会話はお控えください」と書かれたポスターを掲示してきましたが、
「より短い言葉を使い、わかりやすいポスターが必要だ」と考えたそうです。

静かに食べる「静食」という言葉も候補でしたが、
より感染防止の目的に沿うよう「黙」を採用。
「強い言葉なので、伝わり方次第で反感を持たれる恐れがある」という迷いもありましたが、
「お客さんと従業員を守るためだ」と決断しました。

「黙食」のデザインは、前職がデザイナーだった三辻さん自身によるもの。
1/15にツイッターで発信したところ、「店に貼りたい」
「こうした店が多くなると良い」といった好意的なコメントが寄せられ、
10日ほどでリツイートは5万件超、「いいね」も約8万件つきました。

記事では、久留米市の温泉施設「久留米 游心の湯」で、
三辻さんのデザインをヒントに「黙浴」「黙蒸(もくむす)」を
呼びかけるポスターを作って掲示することなど、
全国で「黙食」が広がっている事例が紹介されていました。

黙食

【誰が言うかで受けとめが大違い】

飛沫が主な感染要因とわかってきて、それを防ぐのが目的であるなら、
「会食を控えて」とか「会話をする時はマスクをして」とか言うより、
「黙食」のほうがはるかにわかりやすくて効果的な感じがします。

飲食店に行くのが悪いのではなく、
そこでやる行動(マスクをせずに話し合う)が危険ということに、
しっかりフォーカスしたアピールにもなっていると思います。

言おうとしている目的は同じでも、
言い方一つで伝わり方が全然違うのはよくある話。
言葉の使い方って大事ですね。

さらには、言っているのが誰か、というのも大きいでしょう。
コロナ禍で苦しんでいる飲食店の方が、「大変心苦しいのですが」と
お願いしているからこそ、肯定的に受けとめられている面もあるでしょう。

もし今回の「黙食」を、仮に今の政府が言い出していたとしたら、
「ふざけるな」とか「上から目線で偉そうに」と反発する人が多かったかもしれません。
以前にも触れた、「信頼」の有無がここでも響きそうです。
なんてったって、「自由飲酒党」とチャカされるぐらいですから……
あ、これも流行語大賞候補に……ならないでしょうね。

 

 

 

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