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“弱さ”を隠さないのが“強さ”

【お墓参りにも影響が……】

残暑(酷暑)お見舞い申し上げます。
みなさん、お盆はいかがお過ごしでしたでしょうか。

今年はコロナ禍でいつもとはだいぶ違うお盆になりました。
飲み会の類が中止になるのは仕方ないとして、
私の実家の墓がある霊園(福岡県宮若市)からは、
以下のように書かれたお願いの手紙が来ました。

①できることなら各家庭から代表が1名・・・
②高齢者 持病のある方、今年はパス
③人と人との間隔は出来るだけ2メートル
④会話をするときは真正面を避ける
⑤会話をするときはマスク
⑥帰宅したら手や顔を丁寧に洗う

とにかく人が集まるのがリスクというのですから、
やりにくいことこの上ないですよね。

お盆

【共感できるリーダーに共通するのは“弱さ”】

さて、前回、コロナ禍という国難において、
首相は自分の言葉で語ってほしい、という旨を書きました。
体裁のいい言葉は並んでも、心に響いてこないと思っているからです。

その後、今月刊行されたばかりの、朝日新聞社編
『コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線』の中に、
心に響いてこない理由について、
「ああ、なるほど!」とうなずける指摘を見つけました。
政治学者、中島岳志さんの言葉です。

――僕は安倍首相の「声」を長年聞いていないと思っています。
つまり、官僚が書いた原稿をそのまま読むわけです。
それが国民にも見えてしまっている。

逆に、今回目立ったリーダーに共通するのは「弱さ」。
ドイツのメルケル首相と米ニューヨーク州のクオモ知事です。
メルケル氏がなぜあんなに共感を得たかというと、
「私も心配。私も弱い」という視点から連帯を訴えたからです。
演説でも、感染者や死者の数字について
「これは数字じゃない。具体的なお父さんであり、
お母さんであり、おじいちゃんの話である」と語る。
クオモ氏も同様です。
自分たちの痛みと同じところに立っていると思える。
弱さが見えるリーダーが共感されているのです。
弱さを隠さない人間こそ、強さを持っている。
首相は自らの弱さと向き合い「生の声」を届けるべきです。――

「弱さが見えるリーダーが共感されている」というのは、私も大いに同感です。

リーダーが弱みを見せてはいけないという考え方もあるでしょうけど、
それが、非を認めないとか、都合の悪いことを率直に明かさないとかにつながると、
某大統領ではありませんが、きわめて逆効果と思えます。
特に、新型感染症の流行という危機下では、なおさらではないでしょうか。

安倍首相の健康不安説が流れていて、
それはそれで心配ですけど、それとこれとは話が別。
リーダーに見せてほしいのは、その手の“弱さ”ではありません。

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