【受験勉強で身につく本当の力】
受験シーズン到来。
私の「従姪」←(いとこめい。従姉妹の娘はこう呼ぶんですね)も
高校受験を控え、追い込みをかけていることでしょう。
私も〇十年前に経験した高校&大学受験。
その時勉強した(詰め込んだ)あれやこれやは、
ほとんど忘れてしまっています。
だって、普段使わないですから……。
そういう人が多いのでしょう、
「受験勉強は社会に出て役に立つのか?」は
今も健在の“永遠のテーマ”ですね。
いろいろ大変な当事者である生徒さんにとっては、
「そんなこと今言われても」かもしれませんけど。
もちろん、役に立たないわけありません、というのが私の意見。
「でも、忘れてんでしょう」という声には、
「それは視野が狭いですよ」と申し上げましょう(^^)
私の考えを代弁してくれた方がいました。
プロトレイルランナーの鏑木毅選手です。
鏑木選手は、昨年、50歳で山岳レースUTMB(※)に挑戦し、
見事に完走した、日本を代表するランナーのひとりです。
同世代の私としては、サッカーの「キングカズ」こと
三浦知良選手とイメージが重なる、
勇気をもらえるアスリートのひとりですね。
鏑木選手のオフィシャルブログに、
「受験の苦労って無駄なことなの?」という、
そのものズバリのエントリーがあります
(日経新聞連載「今日も走ろう」へのリンクが張られています)。
私に響いたのは、以下のくだりです。
――限られた時間の中で、物事を筋道立てて考える力も
格段に身につくのもこの時期。
いま自分は何を優先すべきか、
あることを成し遂げるにはどのようにすればよいのか、
といったことは、もちろん受験以外でも磨くことはできる。
だが人生を左右しかねない大きなプレッシャーの中で培えば、
知らず知らずのうちに状況判断力は磨かれていくだろう――
※ウルトラトレイル・デュ・モンブラン。
ヨーロッパアルプスの最高峰モンブランを巡る
フランス、スイス、イタリアにまたがる山岳地帯を走るレース。
鏑木選手は2009年に3位(日本人最高)。
【学歴は“頑張れる力”の証明書】
以前、某就職情報会社の人事担当者に、
採用時に学歴(出身校)を見る理由を聞いたことがあります。
「学歴で人がわかるんですか?」という私の質問に、
「発想が逆」との答え。
高学歴だから高評価、というよりは、
仕事ができる人は“結果的に”高学歴が多い、とのことです。
つまり、厳しい受験をパスしてきた人は、
たくさんの情報を効率よく処理する力とか、
やらなければいけないことに計画的に取り組む力とか、
さまざまな課題に長期にわたって向き合う忍耐強さとか、
そんな諸々の素質に優れているだろうと判断できる、ということです。
もちろん、「学歴=能力」だとは言いません。
けれども、数回の試験や短時間の面接で
その人の大半を知るなど、そもそも至難。
限られた時間で採用を進めるには、
学歴はそれなりに有効な指標になるんですね。
生徒のみなさんたちは、
受験勉強で覚えた知識もさることながら、
受験勉強で“鍛えた力”が、
社会に出て大いに役立つと考えていただきたいです。
決して無駄なんてことはないですよ。
がんばれ、受験生!