【7割がポイント還元がある販売店に好感】
アマゾンが通販サイトで取り扱うすべての商品で、
購入額の1%以上をポイント還元する方針を示したことをめぐり、
公正取引委員会から「優越的な地位の乱用にあたる可能性がある」
と指摘されました。
問題視されているのは、還元分を出店者が負担する点です。
同様にポイントを提供する楽天やヤフーも実態を調査するとのこと。
2019年3月上旬時点でこの問題がどうなるかわかりませんが、
私が目を引かれたのは、報道(2019.2.23付日経)にあった
ポイント還元を好む日本人の傾向です。
物流支援の米マンハッタン・アソシエイツによれば、
販売店に好感を抱く要因として
「ポイントカードなどの優待プログラム」を選んだ人は、
日本が70.8%だったのに対し、
中国は29.0%、米国は11.0%だったそうです。
日本人のポイント好き、何かを貯めるのが好き
という性向がうかがえますね。
ポイント好きは、値引き交渉をする習慣があるかないかも
影響しているのではないかと思います。
値引き交渉をしないかわりに
後で現金がわりに使えるポイントがもらえるなら、
値引きしたのと同様の満足感が
得られるということではないでしょうか。
ただ、その場で現金値引きと、
後日使える同額のポイントをもらえるのとでは、
前者のほうがお得なんです。
例えば10%引きと、10%ポイント還元を比較してみると――
10,000円のものを9,000円で買った場合は10%引きですが、
10,000円のものを買って1,000円分のポイントをもらうと、
11,000円分を10,000円で買ったことになるので、
約9.1%引きとなります。
【キャッシュレス決済の真の目的は?】
ポイント還元はキャッシュレス決済を推進する有力策でもあり、
政府もキャッシュレス決済の普及に力を注いでいます。
インバウンド需要の取り込みにも役立つと見られています。
ユーザーにとっては便利な面も多いキャッシュレス決済ですが、
オンラインで決済する以上、販売側からすれば
取引の記録が明確に残ることになります。
税務署が課税所得を把握しているのは業種によって差があり、
給与所得者は約9割、自営業者は約6割、
農・林・水産業者は約4割と言われています。
いわゆる「クロヨン(9・6・4)」ですね。
この真偽はともかく、キャッシュレス決済普及の一番の狙いは、
(特に中小からの)税収確保ではないかという話も……
もちろん納税に不公平があるとするなら、
それは正されなければなりません。
最後に、最近ラジオで耳にして「なるほど!」と感心した
謎かけ風フレーズをご紹介します。
「税金は水である。節すれば知恵、脱すれば命とり」