【日本語による懸け橋に関心は高い】
弊社社長が自身のフェイスブック(3/27)で、
せっかく日本に興味を持って来てくれている留学生と
深い交流がないことのもどかしさを綴っています。
今回は、それに関連した話題を少々……。
4/1付日経電子版に、「高まる日本語学習熱」という記事が掲載されました。
国際交流基金の2018年度の調査(3年に1度実施)によれば、
海外での日本語学習者は約385万人で20年間に8割増えました。
アジアを中心に140を超す国や地域で日本語教育が実施されています。
背景には、留学・就労目的のほか、
アニメや漫画から日本語に興味を抱く若い世代も多い、と指摘されています。
まあ、これはいろんなところで言われていることですね。
なお、海外の日本語教師は8万人弱で、日本人は2割にとどまるそうです。
単純計算ですが、日本語教師が日本語学習者約50人に1人というのは、
明らかに手薄とまでは言えないかもしれませんが、
まだまだ改善の余地があるといったところでしょう。
記事では、同基金がアジアに日本語パートナーズとして教育者を派遣する事業
(今はコロナ禍で募集停止中)に応募する人の多くがシニア層で、
日本語による懸け橋に関心は高い、としています。
ちなみに、日本語学習者の多い国・地域は、以下の通り。
出典は、前出の同基金の「2018年度 海外日本語教育機関調査」です。
1 中国 100万4,625人
2 インドネシア 70万9,479人
3 韓国 53万1,511人
4 オーストラリア 40万5,175人
5 タイ 18万4,962人
6 ベトナム 17万4,521人
7 台湾 17万159人
8 米国 16万6,905人
9 フィリピン 5万1,350人
10 マレーシア 3万9,247人
コロナの大罪の一つは、人と人との往来を著しく制限すること。
オンラインでつながることができるとはいえ、こと留学に関しては、
実際の「交流」や「体験」がきわめて大切な無形の成果物でもあるので、
渡航し合えないのは、本質を否定されるかのような痛みがあります。
互いに国を行き来できないのは、経済的な打撃はもちろんですが、
相互理解がさまたげられることにもつながり、
どうかすれば分断がエスカレートしてしまいかねません。
(→1.21付本欄「訪日外客数9割減がもたらす経済以外の思わぬデメリット」)
そして、そうした事態はニュースになり目につきやすいので、
世界中で世情が荒れているように見えてしまいます。
それでも一方で――
今年最初の本欄で、移住したい国で日本は2位、という話題を取り上げました。
世界の中には、日本に好意を寄せ、日本語を学ぼうとしてくれる人がたくさんいることは、
忘れないでおきたいものです。