【第二言語習得理論ではステップが大事】
「どうして日本人は英語を中高大と10年間学んでも苦手なのか?」
もはや“普遍的”とも言えそうなこの問いに、
第二言語習得理論の研究者である田浦秀幸教授
(立命館大学大学院言語教育情報研究科)は、
「日本人の英語に対する期待値が高すぎるんです」
と答えていました(BSテレ東『日経プラス10』)。
「小中高大で体育を教わるが、みんながオリンピックに出られなくても
誰も文句を言いません。数学で1番にならなくても同じです。
英語だけ『どうしてできないんだ』と叩くんです。
50分の授業で先生と英語を使うのは5分もないかもしれません。
教室を一歩出ると日本語の環境。
インプットとアウトプットの量が外国と全然違うので、
そうそう英語はできません」とのこと。
ただし、現状の英文法を中心とした授業は「悪くない」そうです。
母国語以外の第二言語(英語など)が、どのようなメカニズムで
習得されるかを科学的に解き明かす第二言語習得理論によれば、
①「語彙」「文法」の習得
↓
②「読む」+「聞く」受容スキル(インプット)
↓
③「書く」+「話す」産出スキル(アウトプット)
というステップを踏むのがポイント。
いきなり英語だけを聞き始めたり、話し始めるやり方とは違います。
うまく聞き取れない、話せないという人は、多くがその前段階である
「語彙」「文法」「読む」に難があるということ。
まずそこをちゃんとしないと、なかなか先に進めません。
確かに、読めない文を話すことはできませんよね。
かつて田浦教授が留学していた時、
中東出身で英語を積極的に話す人たちがいて、
文法はどうでもよく、いわば勢いで話していたそうです。
ブロークンでもなんとなく話せていたわけですが、
時間が経つにつれ事情が変わってきました。
田浦教授のようにきちんと文法をやった人たちは、
ビジネスベースでちゃんと話さなければいけない時にも、
しっかり対応できるようになりました。
一方、なんとなく話せていた人たちは、
いつまでも初級クラスのままだったそうです。
【やはり留学は有力。でも予習は大事】
ここで提示したいポイントは2つ。
(A)学校の授業だけで、前出の3ステップを全部カバーしようとするのは、
かけられる時間ひとつとっても、無理があるのではないか。
(B)ステップを飛ばして学んでも、
聞き取りや話す力は身につかないのではないか。
本欄では、折に触れ効果的な英語学習法として語学留学をお勧めしています。
(A)の解決策としては、語学留学はまさに絶好!
たとえ1週間の短期留学であっても、日本にいては得難い英語漬け環境で、
1日8コマ×5日=40コマ(これ以上も可)もの濃密なレッスンが受けられます。
語学習得の要諦は集中と反復。
語学留学は、学校の授業を十二分に補完できる学習法です。
(B)に関しては、語学留学する上での注意点になります。
さすがに渡航さえすれば、簡単に英語がマスターできると
思っていらっしゃる方はいないでしょうけど、
それでも、事前準備が足りなかったため、
せっかくの機会がもったいなかった、という話も時々耳にします。
事前準備とは、基本的な語彙と文法のおさらいですね。
それをきちんとしていないと、留学中に、自習時間などを使って、
後追いでせっせと勉強するハメになってしまいます。
日本でもできることに時間を費やすのは、いかにももったいない。
現地では、できるだけアウトプット(とその修正)に専念しましょう。
これが効果的にできるから留学すると言っても過言ではありません。
福岡の留学エージェント、弊社オーバーシーズ情報センターでは、
語学留学や海外研修、ホームステイなどを通して、
みなさんの英語力アップのお役に立てるよう親身になってサポートいたします。
学校選びや現地での生活などなど、何でもお気軽にご相談ください。