お知らせ

音声翻訳機があれば英会話は勉強しなくてOK?

【音声翻訳機が「もっと勉強したい」というきっかけに!?】

みなさん、あけましておめでとうございます。
よいお正月を迎えられたことと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、平成最後、新年号〇〇元年、最初の話題は、
「音声翻訳機があれば英会話は勉強しなくて済むのか?」

日本語で語りかければ、目的の言語で通訳してくれる音声翻訳機。
翻訳の精度がますます高まってきていて、
日常会話程度なら十分対応できるようです。
英語ができなくても、これさえあればもう大丈夫――なんでしょうか?

BSテレ東の番組『田村淳のBUSINESS BASIC』で、
ネットに繋がなくても使えるオフライン音声翻訳機「ili (イリー)」を手がけている
LogbarのCEO、吉田卓郎さんが語っていました。

開発前、すでにGoogle翻訳や日本企業の他アプリがあったものの、
何度も旅行で使っているうちに「使えない」と判断したそうです。

一番の理由は、インターネットにつながっていないと使えないこと。
次に、起動スピードが遅いこと。
どこの言語圏でも、ちょっと待たせると「早くしてよ」という顔をされ、
その顔を見るともう使いたくなくなったそうです。

それらを解決したのが、オフライン使用と高速翻訳を可能にした「イリー」というわけです。
発売当初1カ月で2億円売上げたといいます(単価は公式オンラインストアで税抜き19,800円)。

その吉田さん、当初は英会話教室などから「イリー」は敵視されると思っていたそうです。
でも、実際は違いました。
若い人たちは、「イリー」がきっかけで「話せる、楽しい!」となって、
「もっと自分で話せるようになろう」と思うんだそうです。
「イリー」の購入者の85%は40代~70代というのも、
そのあたりの事情が反映されているのかもしれません。

自分が話したことが相手に通じる喜びは、
外国語学習の大きなインセンティブ。
これは機械を介しては得られないでしょうね。
若い層ほどその喜びに敏感と言っては、言い過ぎでしょうか。

ちなみに「イリー」の声は女性ですが、その理由は、
「翻訳を間違ったときに、かわいく許してもらうため」と吉田さん。

さらに課題として、文脈に応じて音声に強弱をつけるなど、
人間同士では当たり前にやっていることがまだできないとのこと。
感情も含めた細かなコミュニケーションは、まだまだ機械(AI)には難しいようです。

⑦その他1

【自分で話せる力はこれからも必要】

音声翻訳機は今後ますます進化していくでしょう。
将来AIが人間と同様に、発言と真意が逆などの
複雑な文脈も理解したコミュニケーションができるようになり、
発話と同時に翻訳できるほど進化すれば、
外国語を勉強しなくていい日が来るかもしれません。

しかし、それがいつになるのかはわかりません。
来るとしても相当先だろうし、そんな日は来ないという声すらあります。

というわけで、音声翻訳機さえあれば英語を勉強しなくてもいいとは、
まだまだ言えないと思います。

あくまで一例ですが、私のまわりの若者のリアルな声として、
友人の娘さん(中3)の意見も紹介しておきましょう。
――今は翻訳機の性能が完璧ではないので、英会話は必要。
将来的には翻訳機で十分なシーンがより多くなったとしても、
交渉事など、場合によっては翻訳機を介していられないだろうから、
英会話の必要性がなくなることはないと思う――

一文単位の日常会話で十分というならともかく、
外国人と細かなコミュニケーションをとるには、
もっと言えば、仕事で十分に役立てたり、
海外旅行をより深く楽しむためには、
自力で英語を習得するほうが、はるかに早くて有効でしょう。

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