英会話学校大手イーオンが「中高における英語教育実態調査2018」を公表しました。
中学・高校の現役英語教師269人が対象です。
【英語使用は中学先行】
文部科学省では、中高の英語授業の基本方針として、原則英語で行うことを打ち出しています。
高校では導入済み、中学では2021年度から導入されることになっています。
そのうえで、英語使用の実態は――
《中学》
おおむね(75%程度以上)……15%
半分以上(50%程度以上~75%程度未満)……40%
半分未満(25%程度以上~50%程度未満)……35%
あまり使っていない(25%程度未満)……10%
《高校》
おおむね(75%程度以上)……10%
半分以上(50%程度以上~75%程度未満)……23%
半分未満(25%程度以上~50%程度未満)……41%
あまり使っていない(25%程度未満)……26%
英語使用の基本方針導入を控えた中学のほうが、高校より先行しています。
授業時間の半分以上(「おおむね」+「半分以上」)を
英語で行っている割合を昨年(2017年)の調査と比較すると、
《中学》
2017年……43%
2018年……55%
12ポイントアップ↑
《高校》
2017年……28%
2018年……33%
5ポイントアップ↑
現場での奮闘がうかがえる結果ではありますが、それでも特に高校では
「英語の授業は原則英語使用」という基本方針に苦戦しているようです。
【難しい主な要因は「話し方」指導】
英語を使った授業を行いきれていない最も大きな要因としては、
「生徒のレベル・実態を考えるとすべて英語での実施は難しい」が
中高ともに断トツで1位でした。2位はやはり中高ともに、
「すべて英語で授業運営をするには、自身の英語に自信がないため」となりました。
サポートが必要だと感じていること・困難を感じていることとしては、
高校では「スピーキング指導(発音指導含む)」、
中学では「技能統合型指導」が1位となりました。
技能統合型指導とは、「英文を読み、その内容を第三者に英語で説明する」など、
いくつかの技能を掛け合わせた学習指導のことです。
「スピーキング指導」は中学でも2位、「技能統合型指導」は高校でも2位となっていて、
総じて、英語で話すことが中高通じての課題となっていることが浮き彫りになりました。